予防医学

病気にならないようにする医療

予防医学とは「病気になってしまってからそれを治すことより、病気になりにくい心身を作る。病気を予防し、健康を維持する」ことです。

これまでの医学の歴史は「病気の原因を解明し、その病気の治療法を見つけだす」医学でした。つまり、「病気になったら治療をする」医療でした。

しかしこれからは「病気にならないようにする医療」が大切な時代になると私は考えています。

まるで「自動車が事故をしても壊れない車」をめざしていたものが、自動ブレーキなどによる「事故をしない車」に進化したのと同様に思います。

心疾患」「脳血管疾患」「悪性新生物(がん)」の予防・早期発見

多くの病気が解明され治療できるようになりましたが、健康長寿を達成するためには三大死因である「心疾患」「脳血管疾患」「悪性新生物(がん)」の予防、早期発見が不可欠と思われます。

「心疾患」「脳血管疾患」の多くは動脈硬化(血管が硬くなる)による病気ですから、中年期からの生活習慣病の是正により十分予防できると感じます。

私は心臓カテーテル治療を専門に急性心筋梗塞や狭心症の治療に多く携わってきました。治療により回復した方もいれば、残念ながら回復されなかった患者さまもいらっしゃいました。ボロボロの血管をみていつも思うのは「なんでこんな血管になるまで放置されたのだろうか」ということでした。

高血圧、高脂血症、糖尿病などの生活習慣病を放置すると加速度的に動脈硬化が進行します。

20年ほど前は動脈硬化に対する良い薬がありませんでしたから仕方がなかったかもしれません。

しかし現在は動脈硬化を予防する良い薬がたくさんあります。早期に生活習慣病の治療をすれば十分に動脈硬化を予防できると考えます。

無駄な薬を飲むのはよくないことですが、薬によって日本人が長寿を達成してきたことも事実です。 必要と判断されるお薬は躊躇なく内服することも健康長寿達成のためには重要と思います。

PAGE TOP